Davinci 開発について#03

どうも久家です!

僕。。。どうやら業界の風雲児になったようです。。。

サブイズムさん記事ありがとうございます! そして大袈裟です!!!笑

【快挙】グッドデザイン賞受賞でELEMENTSの「Davinci(ダビンチ)190」は更なる高みへ★

グッドデザイン受賞のお祝いコメントやメッセージを多くの方から頂き、本当にありがとうございます!とても嬉しいです!

11月1日(水)からグッドデザイン賞の展示イベントが開催されるそうです。

会場に僕も居るようにしたいと考えているので、追ってまた告知いたします。

 

さて、今回はダヴィンチ開発について#3です。

前回のブログで書いた工場との初打ち合わせ後、

頭の中のイメージに近づけたモックアップをもう一つ作りました。

それがタイトル画像のB’モデル。

前回のブログで紹介したモデルは、まだS字寄りの動きになっていて、

僕の頭のイメージを100%表現できていませんでした。

S字系の動きをするルアーを作るなら、既に多くの”名作ルアー”たちがあるので、僕達がルアーを作る”意味”が無いと考えていました。

そこで、イメージを近づけるべく試行錯誤。。。

アイの位置やウエイトバランスを調整しながら、

ケミカルウッドを何度も何度も削り。。。

完成したのが上の動画のモックアップモデルです。

かなりイメージに近い動きになり、このモデルでプラスチックの削り出しモデルを作るため工場に送りました。

それと同時に、

特許出願の準備を進めました。

アイデア段階から「鋭角な斜めジョイント」で「コンセプトが同じもの」が今までに無いことは調べ尽くしていました。

僕はコーヒーが好きで、数年前にコーヒー豆の焙煎屋さんの経営を引き継ぐ計画があったのですが、そのお店で知り合った方が特許事務所の所長さんでした。

早速、所長さんに連絡。

アドバイスをいただき、既存のルアーの角度を再度調べ尽くし、弊社の特許出願の内容を決め、人生で初めての「特許」を特許事務所から出願しました。

出願した特許は2点あり「ジョイント角度の範囲について」と「オプションパーツについて」でした。

ジョイント角度は、ある角度〜ある角度までの範囲を指定して出願しています。

オプションパーツは現在テストを進めていて、本体形状が関係した面白いアクションができる物になっているので、楽しみにお待ちください!

話を戻して、

最初の打ち合わせから数週間後に初めてルアー工場に行くことになります。

もう、ワクワクドキドキ。

社会科見学の時の少年状態です。笑

名作ルアーや、いま一世を風靡しているルアーを作っているルアー工場内を案内され興奮の連続。

ルアー製造の工程を一つ一つ丁寧に説明して頂きながら、

「自分達もここでルアーを作るのかぁ〜」っと夢のような時間が過ぎました。

そして。

僕が作ったモックアップモデルを、工場でプラスチックから削り出したプロトタイプ1号の登場です。

この時点で嬉し過ぎて半泣き。

そこから、現状の課題や問題点、今後のスケジュール、生産目標などを打ち合わせしました。

3DCGや映像の仕事はある程度の規模でやっていますが、ルアー作りに関しては初体験。右も左も分からないなりに自分のバランス感覚で今後の計画を提案しました。

計画当初は年間で何個売れるかも見当もつかず、漠然とした数字の目標でした。

想像してみてください。

まだ誰も釣ったことが無いルアー、既存ルアーには無い形状、ルアー産業のイロハも知らない中で、自分が考える計画・考え方は正しいのか?現在の自社事業に支障が出たらどうしよう?資金は大丈夫か?家族は心配だろうな。。。などなど色々な事を考え不安でした。

相棒の永田も、隣で僕が言うことに「うん。うん。」と頷きながら、さぞ不安だったことと思います。笑

最初の頃は、そんな不安な想いと隣り合わせの開発の日々でした。

しかし、「やるからにはとことん!」な性格な僕。

「今までに無いモノを作る!」という事だけを胸に、僕たちにしかできない事を信じて走りはじめました。

プラスチック化を果たしたプロトタイプ1号は、見事に安定して泳ぐモデルでした。

それをベースにプロトタイプ2号が数週間後に到着。

バイブレーション・アイも位置の違いを確認するために二つ付けたり、テールの取り外しをしたいと考えていたため、ジョイントの角度に平行にスライド式で作ってもらったりと一歩前進。

次のサンプルモデルで、ある程度のルアーの外観デザインに近づけようと考え、エラやバイブレーションの水受けするヘッド形状など、変更を加えました。

が!

これが大失敗!

バイブレーションの動きを良くしたいと考えて、頭から背中をフラットに水抵抗を増やそうと考えてデザインしたのですが。。。

ウエイトバランスも悪く、スイムテストで動きが完全に死んでしまったのです。。。

製品版のダヴィンチ190を見ていただければわかりますが、バイブレーションのためのヘッド形状はしていません。

ダヴィンチは、ただの大きなバイブレーション・ルアーではなく、艶めかしく動く「ツイストロールアクション」と、潜るための「バイブレーション」という二つの異なるアクション(攻め方)ができるルアーです。

どちらかが動かないのでは意味がありません。

この”アイデア(縛り)”がその後の開発を苦しめます。。。

しかし、コンセプトがブレてはいけません。

軌道修正です。

そして、この頃から3Dプリンターで外観検討をはじめました。

元々、僕の業務上3Dモデリングのスキルがあったため、工場から3Dデータを送ってもらい得意な3Dソフトで簡単な編集後に3Dプリンターで外観検討をしました。

その間も、工場から次々とプラスチック削り出しモデルが届き、スイムテストとアクションの修正、ウエイト調整や形状の変更を繰り返します。

穴を空けてウエイト調整しパテ埋めや、ボディーの形状をヤスリで削り水の受け方を検討・調整しました。

工場のエンジニアからも二つの異なるアクションを実現させるために、色々なアドバイスをもらいました。

図面にスケッチを何度も何度も繰り返し、連日電話打ち合わせをしながら調整する日々が続きます。

今となっては、この設計図達は僕たちELEMENTSの宝物です。

この設計図にモノ作りの「楽しさ」を教えてもらいました。

通常業務をこなしながらのルアー製作ですが、いつもワクワクしながらテストを重ねた日々が思い出深いです!

しかし。。。

その後も開発は困難が続くのです。。。

続く。

ELEMENTS 久家