2017年度 グッドデザイン賞 受賞!

どうも久家です。今日は個人的にとても嬉しいご報告です。

大変お待たせしているDavinci190が、2017年グッドデザイン賞を受賞しました!

下記、審査員評価コメントです。

“形状デザインの高い品質もさることながら、本体の構造を根本的に見直すことで、新しい機能や使用シーンを生み出している点が高く評価されました。複数個ある糸の固定場所や斜めにジョイントされた本体が生み出す新しいルアーの動作方法など新規性の高い要件が多く、それらが深く検討されている点も素晴らしい。”

2017年度 グッドデザイン賞 “Davinci 190”
http://www.g-mark.org/award/describe/44809?token=iEbmLUI2Iy

応募総数4495件の中から、本年度の受賞件数は1403件の受賞。

ルアーはDavinci 190のみの受賞になりました!

正直、受賞が弊社だけということでビックリしています。

僕はBMXという20インチの小さな自転車競技の選手を10年ほどやっていました。選手を引退後に進んだのが”デザイン”の道でした。

デザインと言っても色々ある中で、”プロダクトデザイン”を学びたくて桑沢デザイン研究所に入学しました。

学生生活の話は今回は省略。m(_ _)m

無事に卒業したものの、建築CGパースや映像の仕事がメーンになり、

実際に”モノ”を作る仕事を実現できていませんでした。

僕の先輩デザイナーや恩師もグッドデザイン賞を受賞されていて、

「いつか自分も”何か”を創りたい」という想いが心の何処かにありました。

そんな想いの中で、まさかの”大好きなルアー”を作ることになるとは思ってもいませんでした。

しかし、せっかくのチャンスだから「トコトンやってやろう!」と開発と同時進行で”グッドデザイン賞”にも挑戦することにしました。

まずは一次審査です。

エントリー用の画像や動画、ダヴィンチを説明する文章の準備がスタート。

商品撮影は、BMX時代から僕のプロフィール写真を撮り続けてくれているフォトグラファー山中基嘉氏に依頼。

 

ルアーの物撮りは、もちろん初めて。

いや〜本当に難しかったです…汗

有機的な形状、フィルムの光り具合とDavinciのエッジを魅せるためのライティングに苦戦して数日に分けて朝まで作業を続けました。

そしてDavinciを説明する内容の英文翻訳。

僕の映像仕事でナレーターも手伝ってくれているデニスにお願いしました。

デニスは歌もやってて、いい声なんす。英語のナレーション必要なときはぜひ!

みんな忙しい中で手伝いを快く引き受けてくれたことに感謝しています!

撮ってもらった画像や、文章、アクション動画などギリギリまで準備に時間をかけ5月に初めてのグッドデザイン賞にエントリーすることができました。

そして一ヶ月後…。1次審査を無事に通過。

ホット一息、まずは一つ目の壁を突破です。笑

2次審査は3日間あり、現物を展示して審査されます。

またこのスケジュールもボード作ったり、映像作ったりとドタバタなのです。汗

展示会場は、フィッシングショーの会場をイメージしてもらえると良いと思います。東京ビッグサイトの広〜い広〜い会場に何千点もの”デザイン達”が並びます。

手のひらサイズのモノから、医療機器や家のガレージ?のような大きなモノまで、とにかくあらゆるジャンルの展示を応募者のみなさんが一生懸命に設営する姿に感動しました。

大手有名家電メーカーのデザイナーさんでも、製品の展示角度を何度も何度も変更しながら設営されていました。

一人で展示されているブースも大掛かりなチームのブースも本気モード。

我々もブースで、映像の再生トラブルもありましたが、なんとかその場で解決できて無事に搬入完了!

審査期間の2日目は、審査員に直接プレゼンテーションする日が設けられています。

1分30秒で内容を説明しないといけません。

しかし、その1分30秒でダヴィンチを説明するのに四苦八苦なのです。

あの動き、2つのアイ、デザインコンセプト、開発コンセプトを話すには1分半では時間が足りないのです。。。笑

前日から何度もリハーサルを繰り返し、ギリギリ1分半に収まるよう練習をしました。

会場に早めに着き、入場前にも壁に向かってリハーサル。

永田氏こっそり撮っててくれました。笑

会場での写真撮影はNGなので残念ながら会場の様子をお見せできませんが、自分たちのデザインをプレゼンテーションするために多くの方々が来ていました。

僕の時間になりブース前で審査員を待っていると、

来られたのは有名なデザイナーさん達。

緊張したものの、完璧では無いですがDavinciのプレゼンテーションを何とかできました。

そして驚いたのが、審査員の方々はルアーを熟知されているということ。

僕のプレゼン後に、ルアーのジャンルや動きの性質、フックに至るまで色々と質問されました。

さすが第一線のプロだなぁと。評価する対象の市場をしっかり学んでらっしゃるんだなと感銘。

あと、「グッドデザイン賞はお金で取れる」といった話を耳にしますが、あれは間違いです。

あるとすれば、展示にいちいち”お金がかかる”から、そう思う方もいるのかな?と思います。

審査員は各分野の製品について熟知されていますし、応募している方々も本気で賞を取るために一生懸命です。

半年に渡り、一次審査、二次審査を通過してグッドデザイン賞の結果がでます。

グッドデザイン賞の会場では「熱」を感じます。

自分たちが人生かけて作り込んできたモノを評価してもらうために、全員が準備に一生懸命なのです。

それでも、一次審査、二次審査を通過できない方もいます。

そんな本気な空気を全身で感じることができて、

僕は、また機会があれば挑戦したいと思える、そんな一大イベントでした。

BMXの選手を引退後、悩みながら進んだ”デザインの道”。

僕にとって自分が選んだ道で、大きな大きな一つの「結果」を残すことができました。

この結果は、支えてくれた釣り仲間、工場の皆さん、相棒の永田、家族のお陰です。

改めて、この場で深く感謝申し上げます。

ELEMENTSでは多くの高いハードルをいくつも越えてきました。

諦めそうにもなりました。

地を這ってここまで来ました。

そういう想いもあり、とにかく受賞を嬉しく思います。

そして、何事も挑戦するものだなぁ〜と改めて感じます。

いよいよ、月末の初出荷を目指して関係各社全力で準備を進めております。

ELEMENTSの初めてのルアー”Davinci 190″。

全てが完璧ではありませんが、いろんな想いを詰め込んでいます。

皆さんに届くダヴィンチで、バス釣りの新たな世界を切り開いて欲しいです。

皆さんのダヴィンチフィッシュ!が僕達のパワーになります。

引き続き、よろしくお願いいたします!

ELEMENTS 久家